ゲーミングPCがメモリ不足かもしれないと感じたら
ゲーム中に急に重くなる、ロード時間が異常に長い、タブを切り替えるだけでカクつく——そういった症状に心当たりがあるなら、メモリ(RAM)不足が原因の可能性がある。
ただし、焦って増設や買い替えを決める前に、まず無料で確認できる手順から始めることが重要だ。この記事では「確認→設定変更→増設→買い替え」の順番で、段階的に対処法を説明する。
なお、メモリにはシステムメモリ(RAM)とグラフィックメモリ(VRAM)の2種類があり、症状も対処法も異なる。この記事ではまずRAM不足に焦点を当て、VRAMについても別途説明する。
Step 1:タスクマネージャーで使用状況を確認する(無料・所要2分)
お金をかける前に、まず現状を数値で把握することが最優先だ。Windowsに標準搭載のタスクマネージャーで、メモリの使用状況をリアルタイムで確認できる。
確認手順
- キーボードで Ctrl + Shift + Esc を同時に押す
- タスクマネージャーが開いたら、上部の「パフォーマンス」タブをクリックする
- 左側の一覧から「メモリ」を選択する
- 画面中央に「使用中」と「合計」が表示される(例:12.4GB / 16GB など)
- ゲームを起動した状態で再度確認し、使用率が 85〜90%以上 になっていれば不足気味と判断できる
使用率が常時50〜60%程度であれば、メモリ不足よりも別の原因(CPUやストレージ、熱問題など)を疑った方がよい。PCゲームが重い・カクつく原因10選も参考にしてほしい。
RAM不足とVRAM不足の症状の違い
「メモリが足りない」と感じる症状は、原因によって大きく異なる。増設の方向性を間違えないために、まずどちらの不足かを見極めることが大切だ。
RAM(システムメモリ)不足の主な症状
- ゲーム中に全体的なもたつきや応答遅延が発生する
- ゲームとブラウザを同時に開くと動作が著しく重くなる
- ゲームをロードするたびにHDDやSSDがフル稼働する音がする(スワップ発生)
- 画質設定を変えても症状がほぼ変わらない
VRAM(グラフィックメモリ)不足の主な症状
- テクスチャ(建物の壁面・キャラクターの肌など)がチラつく、または低解像度になる
- グラフィック設定(テクスチャ品質・影の解像度など)を下げると症状が改善する
- 高解像度(1440p・4K)に切り替えると急に重くなる
VRAM不足の場合、RAMを増設しても改善しない。グラフィックボードの性能や設定を見直す必要がある。
Step 2:設定変更で改善できるか試す
RAM不足と判断できた場合でも、増設の前に設定変更で症状が和らぐケースがある。まず以下を試してほしい。
ゲーム側の設定変更
- バックグラウンドで動いているアプリ(ブラウザ・Discordなど)をすべて終了してからゲームを起動する
- ゲームのグラフィック設定でテクスチャ品質を下げることで、VRAMの消費を抑えつつRAMの負荷も軽減できる場合がある
OS側の設定変更
- スタートアップアプリを減らす(タスクマネージャー → スタートアップタブ から不要なアプリを無効化する)
- 仮想メモリ(ページングファイル)の設定を「システム管理サイズ」に戻す(手動で小さく設定されている場合に有効)
これらの対処で改善しない、または毎回同じ制約が発生するなら、増設を検討する段階だ。
Step 3:メモリ増設を検討する
増設はコストパフォーマンスが高い解決策だが、事前に自分のPCの仕様を確認しないと購入したものが使えないケースがある。以下の4点を必ず確認してから購入を検討してほしい。
増設前に確認すべき4項目
- 現在のメモリ規格(DDR4 か DDR5 か):DDR4とDDR5は物理的に形状が異なり、互換性がない。CPU-Z(無料ツール)のMemoryタブで「Type」欄を確認できる。
- 空きスロット数:CPU-Zの「SPD」タブでスロットごとの状況が確認できる。空きスロットがない場合は既存モジュールを交換する必要がある。
- マザーボードの最大対応容量:マザーボードのメーカーサイトや仕様書で確認する。たとえ空きスロットがあっても、上限を超えた容量は認識されない。
- デュアルチャネル構成の維持:メモリは2枚1組(デュアルチャネル)で動作させると性能が向上する。1枚だけ追加する場合は、同じ規格・容量のものを選んで2枚差しにすることを推奨する。
容量の目安:8GB・16GB・32GBの違い
容量の選び方については16GBと32GBの選び方はこちらでも詳しく解説しているが、ここでは簡単な目安をまとめる。
8GB:現在の環境では不足しやすい
軽量なインディーゲームや古いタイトルであれば動作するが、近年のAAA作品(オープンワールド系・高解像度対応)では起動しただけで使用率が80%を超えることがある。
OSやバックグラウンドアプリの消費分を含めると、ゲーム専用に割り当てられるメモリが少なくなる。8GBで重さを感じているなら、増設の効果が出やすい環境といえる。
16GB:多くのゲームで十分だが用途次第
現時点でゲーム専用PCとして使うなら、16GBは一つの基準になる。多くのタイトルでは快適に動作する。
ただし、ゲームをしながら同時に配信(OBS)や画面録画を行う場合、または複数の重いアプリを並行して開く場合は、16GBでも余裕がなくなることがある。
32GB:配信・編集・AIツール併用する場合の目安
ゲームプレイと同時に動画編集ソフトやAIツール(画像生成・音声認識など)を使う場合は、32GBが作業効率の面で余裕をもたらす。
ゲームのみの用途であれば、現時点で32GBを必要とするタイトルはまだ少数だが、将来的な余裕を持ちたい場合の選択肢になる。
Step 4:買い替えを検討するのはどんな場合か
増設ではなくPC自体の買い替えを検討すべき状況はいくつかある。
- マザーボードの最大対応容量がすでに上限に達しており、これ以上増設できない
- メモリスロットが壊れており、正常に認識しない
- CPUやGPUも同時に性能限界に達しており、メモリだけ増設しても体感が変わらない
- DDR3など古い規格しか対応しておらず、現行の規格に移行したい
これらの条件が重なる場合は、増設コストをPC購入の資金に充てた方が費用対効果が高いケースがある。
